シャフトカップリング(軸継手)は、モータと負荷機器の回転力(トルク)を効率よく伝達するための重要な部品です。ただし、誤った選定や取り付けをすると、振動・エネルギーロス・早期摩耗の原因になります。以下に、伝達効率を高めるための具体的なコツをご紹介します。
1. 用途に合ったカップリングを選ぶ
シャフトカップリングには多くの種類があります。以下の特徴を把握して適切に選定しましょう。
フレキシブルカップリング(ディスク型、蛇腹型など)
→ 軸の芯ズレ吸収、振動減衰が得意。高精度な位置決めにも対応。
リジッドカップリング(一体型、スリーブ型など)
→ 芯ズレを許容しないが、高剛性でトルク伝達効率が最も高い。
エラストマーカップリング(ゴム入り)
→ 衝撃吸収性が高く、静音性に優れる。中負荷向き。
ポイント:用途(高精度・高回転・吸振など)を明確にしてから選ぶこと。
2. 芯出し精度を高める(アライメント調整)
モータ軸と負荷軸の**同心度や角度ズレ(偏心・傾斜)**を最小にすることが、伝達効率に直結します。
レーザーアライメントツールやダイヤルゲージで調整を行い、偏心を0.05mm以内、角度ズレを0.2度以内に収めるのが理想。
芯ズレがあるとカップリングや軸受に負担がかかり、振動・摩耗・伝達ロスが増えます。
3. トルクと回転数に余裕を持たせる
カップリングの定格トルク・最高回転数は、実際の条件に対して1.2~1.5倍の安全率を見込んで選定。
高負荷・急加減速がある場合は、トルクリミッタ付きカップリングの導入も有効。
4. 振動・共振対策を行う
回転系に固有振動数がある場合、共振により伝達効率が低下する恐れがあります。
エラストマー入りカップリングやディスクカップリングを使用することで、共振点をずらしたり、減衰性を持たせることが可能です。
5. 正しい取り付けと締結トルクの管理
セットスクリューやクランプ式の場合、規定トルクで均等に締めることが重要。
偏摩耗やスリップを防ぐため、取り付け前に軸表面の油分・バリを除去するのも忘れずに。
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