■ PM型ステッピングモータとは
PM型ステッピングモータ(Permanent Magnet Type)は、ロータに永久磁石を使用し、比較的低速で高トルクを発揮するタイプのステッピングモータです。構造がシンプルで価格も手頃なため、プリンター、計測機器、医療機器、家庭用機器など幅広く利用されています。
■ 選び方のポイント
1. トルク特性の確認
用途に必要な起動トルクと保持トルクを明確にする
PM型は低速時のトルクが高い一方、高速域ではトルクが低下しやすいため、回転速度の要件を踏まえて選定します
2. ステップ角の選定
一般的にPM型は7.5°や15°のステップ角が多く、細かい位置決めが不要な用途に向きます
高精度位置決めが必要な場合は、ハイブリッド型やマイクロステップ駆動の採用を検討
3. 電源電圧と駆動方式
DC駆動が主流で、電源仕様とモータの定格を一致させる
ドライバ回路の仕様(ユニポーラ/バイポーラ駆動)に対応しているかを確認
4. サイズと取り付け方式
設置スペースや機構設計に合わせたフレームサイズを選択
シャフト径や取り付け穴の規格も事前に確認
5. コストと寿命
用途によっては高性能よりも低コスト重視の方が合理的
寿命は軸受けや駆動条件に依存するため、メンテナンス性も考慮
■ 導入時の注意点
1. 過負荷運転の防止
PM型は過大な負荷がかかるとステップ抜け(脱調)が発生しやすい
安全率を見込んだトルク選定と駆動条件の設定が必要
2. 発熱対策
連続運転や高電流駆動では発熱が増大するため、放熱板やファンなどの冷却対策を検討
3. 駆動信号の品質
駆動波形が不安定だと振動や異音が発生
適切なドライバやマイクロステップ制御の導入で安定性向上
4. 環境条件
高湿度・高粉塵・高温環境では性能や寿命に影響
必要に応じて防塵・防滴仕様や封止構造の採用
5. メンテナンス計画
軸受けのグリスアップや定期点検で寿命延長
消耗部品や交換品の供給体制を事前に確認
■ まとめ
PM型ステッピングモータは、低速・高トルクで構造がシンプルなため、多くの産業・民生機器に適しています。しかし、高速性能や高精度位置決めには制約があるため、用途・環境・コストバランスを考慮して選定することが重要です。導入時には、トルク余裕度・発熱対策・駆動方式の適合性を確認し、長期的な安定稼働を目指すべきです。
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