減速機とモータが一体となったギアモータを商用電源で駆動する場合には、希望する機械の速度となるように減速比を選定する必要があります。
一方、適用機械をさらに最適な運転とするため、ギアモータを可変速駆動する場合が多くなっています。
ギアモータの可変速方法として、インバータによる周波数制御が一般的です。
インバータ駆動は、オープンループの制御ですが、速度フィードバックによる制御方法もあります。
サーボモータを含めたギアモータの制御について、説明してみたいと思います。
オープンループ
速度センサを用いずにインバータなどでモータ速度(周波数)を制御する方法です。
汎用インバータを用いて、ギアモータを可変速運転する場合、V/f制御(オープンループ)でギヤードモーターを運転すると、IE3モータでは 1:10の定トルク運転が可能となります。
高性能のインバータでは、センサレスベクトル制御が可能となります。
センサレスの意味は、速度センサのフィードバックがないことです。
ベクトル制御とは、誘導モータを直流モータのように励磁電流とトルク電流を演算して、電流の位相と大きさ(ベクトル)を制御する方法です。
ベクトル演算には、モータ定数が必要となるため、モータ定数が内蔵されたインバータを選定するか、オートチューニング機能を使用して、モータ定数を推定する方法があります。
この制御方式では200%程度の始動トルクが得られます。
モータ速度の検出が演算のため、速度フィードバック制御に比べ、負荷変動の影響を受けやすくなります。
速度フィードバック制御
エンコーダ(パルスジェネレータ)などの速度センサをモータに接続して、速度フィードバックを行うことにより、低速でも安定した速度制御が可能となります。
エンコーダのパルス数にもよりますが、速度制御範囲として、1:100以上となります。
エンコーダ付きのモータを、インバータ運転する場合、センサ付きベクトル制御と呼ばれます。
センサ付きベクトル制御は、インバータのオプションカードで対応できます。
エンコーダのパルス数は、制御性と経済性を考慮して、1000~2000パルス/回転のエンコーダが用いられます。
数十Wの小型ギヤモータでは、速度センサをタコジェネレータとし、専用コントローラでモータの電圧制御を行う方式があります。
この方式は、低速になると電圧降下の影響でトルクが低下してしまいますので、小容量のギアモータの適用に限定されます。
サーボによる速度・位置決め制御
インバータによるギアモータの可変速では、高速・高性能な用途には適用できないため、サーボモータとギヤを組み合わせることになります。
ロボット、工作機械などの用途では、精密ギヤと一体化させて駆動されます。
■ 速度制御
サーボの速度制御の範囲は、1:1000以上が要求されます。
サーボモータのエンコーダのパルス数は、2000パルス/回転以上が要求されます。
一般産業用で、可逆運転があまりなく速度の安定性と応答性を求めた速度サーボで使用される場合があります。
■ 位置決め制御
位置決め制御は、繰り返し精度を要求されるため、ローバックラッシの精密制御用ギアモータがサーボモータと組み合わせて使用されます。
ギヤのバックラッシが大きいと、サーボモータの応答が上げられず、所定の位置決め時間、精度が実現できくなるため、機械の仕様を確認しておくことがポイントです。
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