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中空ステッピングモータは、モータ中心部に穴(中空軸)を持つ構造を特徴とした特殊なステッピングモータです。
通常のモータとは異なり、回転軸が貫通しているため、配線や配管、回転シャフト、光ファイバーなどを内部に通すことができ、ロボット関節や回転テーブル、搬送装置などの省スペース設計に適しています。
基本仕様
中空ステッピングモータの仕様は、製品や用途によって異なりますが、代表的な項目は以下の通りです。
フレームサイズ:直径 30mm ~ 100mm(一般的な外径)
中空軸径:φ5mm ~ φ30mm程度
ステップ角:1.8°または0.9°(フルステップ)、マイクロステップ対応機種もあり
定格電流/電圧:0.5A~3A前後/DC24V~48V
保持トルク:0.1N•m~2.0N•m程度(サイズにより異なる)
駆動方式:主にバイポーラ方式
オプション機能:エンコーダ付き/ブレーキ付き/ハーモニックギア一体型 など
中空構造であること以外は、基本的には通常のステッピングモータと同様の駆動方式・信号制御で動作します。


「写真の由来:Nema 11 中空シャフト ステッピングモーター バイポーラ 双轴 7.5Ncm (10.6oz.in) 1.0A 28x28x44mm

使用上の注意点
1. 中空軸の寸法と通過物の確認
中空部にシャフトや配線を通す設計では、通過させたい物の外径と必要クリアランスを十分に確認することが重要です。
また、モータの回転に干渉しないよう、内部構造や配線材の可動性・耐摩耗性にも配慮が必要です。
2. トルクの限界に注意
中空構造は構造上、剛性がやや低下し、トルク性能も通常タイプより劣る傾向があります。
重負荷や慣性が大きい用途に使用する場合は、トルク不足や脱調を防ぐために:
トルクマージンの確保
起動/停止の加減速設定の見直し
ギア減速機との併用
といった対策が必要です。
3. 振動・共振の対策
中空モータは振動や共振が起きやすいという特性もあります。
高回転・高速移動時には、次のような制御対策が有効です:
マイクロステップ制御の活用
ダンパ付きカップリングの併用
アクチュエータ全体の機械的バランス見直し
4. 防塵・防水構造の確認
中空部が開放されている設計では、粉塵や湿気が侵入しやすいため、使用環境に応じてIP規格(防塵防滴)に対応した製品や、カバー・シール材の追加対策が必要です。
医療や食品機器では、衛生管理対応のモータ選定も重要です。
5. ドライバとの相性や制御条件の確認
中空モータでも、通常のステッピングモータと同様に、定格電流・ステップ数・駆動信号形式(パルス入力、CAN、RS485など)に応じたドライバ選定が必要です。
特にエンコーダ付きモデルやフィードバック制御が必要な場合は、コントローラとの通信仕様も事前に確認しましょう。
まとめ
中空ステッピングモータは、配線・配管の取り回しや可動域の確保、省スペース設計に非常に適したモータです。
ロボットや回転装置など、中心部の空間を活かした機構設計に最適ですが、構造上の制約や性能限界を理解し、トルク・振動・環境条件・制御仕様に配慮した正しい使い方が求められます。
導入にあたっては、装置全体のレイアウトや運転条件とあわせて、最適なサイズ・機種の選定と動作検証を行うことが成功のカギとなります。
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