▼粉末床溶融結合方式(PBF)
パウダーベッドフュージョン、パウダーベッド方式とも呼びます。
金属3Dプリンターの多くが粉末床余裕結合方式を用いており、現在もっともメジャーなプリント方式となっています。
世界的に有名なEOS社、3D Systemsをはじめとし様々な企業から粉末床溶融結合方式を用いた3Dプリンターが販売されています。
●仕組み
金属粉末をパウダーベッドという容器に一層ずつ敷き詰め、3Dデータに基づき必要な範囲を熱レーザーで焼き固めていき造形する方法です。
造形後は化石の発掘作業のように周りの余分な金属粉末を払い、取り出していきます。
ここで使用されなかった金属粉末は再利用することができます。
イメージとしては、粉末状の樹脂を熱で焼き固めることで造形する「粉末焼結方式」と似ています。
●メリット
寸法精度に優れる
●デメリット
造形時間がかかる、造形エリアが広くない
▼指向性エネルギー堆積法(DED)
メタルデポジッション方式とも呼びます。
●仕組み
熱エネルギーを材料に収束させることで材料を溶解し、作りたい形へと結合させ、それを積層させていく方式です。
粉末床溶融結合方式と比較すると造形後の手間が変わってきます。
粉末床溶融結合方式では造形後に金属粉末を払ったり、造形の際に使用しなかった金属粉末を再利用できるようにふるいにかけるなど諸々の作業が必要となりますが、指向性エネルギー堆積法ではそれらが不要になります。
●メリット
高速造形可能、大きなものも造形可能
●デメリット
表面仕上がりを重視する場合、積層痕が残るため不向きである
▼熱溶解樹脂積層方式(FDM/FFF)
樹脂を材料とする3Dプリンターを知っている人には馴染み深いプリント方式であるFDMですが、金属3Dプリンターにおいても用いられます。
●仕組み
一般的な3Dプリンターでは馴染み深い「熱可塑性樹脂」に金属粉末を入れ、通常の熱溶解積層方式と同様一層ずつ下から上へ積み上げ造形していきます。
金属3Dプリンターにおいて一般的な熱溶解積層方式と異なるポイントは「造形後に金属以外の成分を抜く」という点です。
熱可塑性樹脂はあくまでバインダー(固着剤)としての役割のため、それを「造形後に抜く」ことで金属のみを残すというわけです。
この工程を「脱脂」と呼びます。
●メリット
設備価格が安価なため導入しやすい
●デメリット
金属密度が低い
▼アーク溶接方式
海外メーカー製3Dプリンターが多い中、日本(武藤工業)においてもアーク溶接方式を用いた金属3Dプリンターが既に開発されています。
●仕組み
既存の半自動溶接機の原理を3Dプリンターにも応用し、溶接機がX・Y・Z軸に動くようにすることで立体物を造形していきます。
※アーク溶接とは
アーク溶接とは金属を接合させる溶接方法です。
細かくは様々な方式に分かれますが、おおまかな概要とし、空気中での放電現象を使用することで金属を結合させることを意味します。
この放電現象では高温かつ強い光(スパーク)を発生します。アーク溶接機は、シールドガス(ガスの種類はいくつか種類がございます)で覆うことで溶接不良を防ぎ安定した精度を実現させます。
●メリット
比較的安価で導入しやすい、幅広い分野での活用が可能、金属粉末を材料とする金属3Dプリンターより材料費が安価である
▼バインダージェット方式(BJT)
結合噴射剤とも呼びます。小型のものを造形する際に適している造形方式です。
●仕組み
一般的な3Dプリンターのプリント方式の一つであるバインダージェット方式と基本的な仕組みは同じです。
粉末状の樹脂に結合剤を噴射し材料を固めていくように、粉末状の金属に結合剤を噴射することで金属粉末同士を結合させ造形していきます。
ただ金属3Dプリンターのバインダージェット方式では、造形後に結合剤を除去することで完成となります。
●メリット
表面の仕上がりが滑らかである。造形速度が速い。
●デメリット
金属密度が低い
▼液体金属堆積法
Liquid metal jet printingとも呼ばれ、いわば液体金属バージョンのインクジェット方式3Dプリンターとなります。
●仕組み
金属の懸濁液(金属粒子が分散している液体)をカートリッジ(簡単に着脱できる部品のことで、プラスチックケースの場合が多い)に充填させます。
そのカートリッジ内の液体金属を高温で結合させ積み重ねていくことで造形していくプリント方式です。
●メリット
表面の仕上がりが滑らかである、ゆがみが起きにくい
●デメリット
発展途上のプリント方式といえるため、機種の選択肢が少ない
▼超音速堆積法
●仕組み
方式名のとおり金属3Dプリンター内最速の造形スピードを誇ります。
ロケットノズルより超高速で粉末状の金属を吹き付け、その勢いによって金属を結合させていきます。
これからの技術発展が期待される方式ですが、現段階で既存金属3Dプリンターの100〜1,000倍速く造形することが可能となっています。
●メリット
超高速造形が可能
●デメリット
開発が発展途上なため、機種の選択肢が限られる
-------------------------------------------------------------------
skysmotor.comは遊星ギアボックスモータとステッピングモータドライバなどを販売している専門的なオンラインサプライヤーです。お客様に競争力のある価格、または効率的なサービスを提供しております。
PR
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
最新記事
(04/21)
(04/14)
(04/07)
(03/28)
(03/22)