近年、世界のモータの年間生産台数は約100億台で、その消費電力は世界の電力消費量全体の約50%を占めると言われています。とてつもない数に聞こえますが、PCにはハードディスクや光学ドライブに冷却ファンがあり、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、ハイブリッド車など、身の回りにあるものに使われているモータを数えてみれば納得のいく数だと思います。また、環境問題対策の一例として、欧米を中心に自動車の電動化が明示されており、モータの需要は強い増加傾向にあります。
一方、世界的なエネルギー問題に関連して厳しい省エネ規制が設けられ、当然ながらモータを使った機器の省エネ対応は重要課題です。モータ自体の省エネ化はもちろん、効率の高いモータ駆動や制御方法も非常に重要になります。
前述したように、モータは様々な分野で多様なアプリケーションで使用されています。したがって、モータには多くの種類があり、モータのドライブ(駆動)方法や制御方法も多様です。Tech Web Motor基礎知識「モータドライブ」では、モータの基礎と、様々なモータのドライブ方法を解説して行きます。
最初に、近年のモータドライバに求められる4つのポイントについて記します。このコーナーでは、これらを念頭に実際のモータドライブの話を進めて行きたいと思います。
モータドライバに求められる4つのポイント
①高信頼性
異常な電圧や電流からモータドライバICを保護する機能や、電源電圧低下による誤動作を防止する機能など、モータドライバは十分な保護機能を備えている必要があります。また、モータの起動時や強制停止、拘束時などにモータ電流を制御する電流制限機能、さらに外部のホストプロセッサなどに障害状態を出力する機能を搭載し、安全性を確保することが求められています。
②低消費電力、高効率
モータの消費電力を低減するためには、低消費電力なパワーデバイスとドライブ技術が必要です。例えば、自動進角調整機能などを用いて、低速回転から高速回転までの広範囲な回転数領域において高い効率を得ることが可能です。
③静音、低振動
モータ動作時の騒音や振動に対しては、駆動波形の最適化が重要です。ブラシレスDCモータドライバの最適通電幅技術(120度、150度、正弦波)、ファンモータドライバのソフトスタート技術、ステッピングモータドライバの電流減衰方式(Decay技術)など、各分野の用途に応じた各種モータの磁気回路に最適な通電駆動技術に対する必要があります。
④制御、利便性
FLL(速度制御)やPLL(位相制御)によるモータのデジタル回転制御技術や、アクチュエータに要求される高精度位置決め制御技術などの高効率駆動制御アルゴリズムは、高性能なモータアプリケーションの開発に欠かせません。ハードロジック化した制御アルゴリズムをドライバICに搭載するなど、設計者が手軽に高効率駆動制御アルゴリズムを利用できることが求められています。また、ドライバIC間での互換性は利便性を高めます。開発の途中で仕様変更が生じた際に、モータ駆動制御基板のパターンを変更することなく置き換えられるなど、利便性の向上は重要です。
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